心拍数と運動強度

トレーナーの古賀です。

最近のスマートウォッチはすごいですね、一日の活動量から睡眠時間、血圧、体温などなど様々な情報をモニタリングしてくれるようです。

これらの情報は健康管理はもちろん、ダイエットの効率を上げるうえでも重要な情報なので、持っている方は是非とも活用してみてください。

さて、今回はそんなスマートウォッチでもモニタリングされる定番項目、心拍数の活用方法についてご紹介します。

目次

心拍数とは

心拍数とは一般的に1分間に心臓が拍動する回数のことです。これは音楽のテンポと同様にBPMという単位で表し、例えば60BPMであれば、「1分間に心臓が60回拍動する」という意味になります。

心臓の拍動は、全身に血液を送ることが主な役割です。

運動により心拍数が増加することで酸素や栄養を全身に供給したり、体温調整など体内の環境維持を担っています。

心拍数には個体差が大きく、現役アスリートなど強度の高い運動を日常的に行っている人は低くなる傾向があります。これは、一回の拍動で大量の血液を循環させられるようになることで高強度の運動環境に適応したことによります。

心拍数の測定方法

心拍数は一般的に脈拍から測定し、手首で計測するのが一般的です。

なお、心拍は心臓の拍動、脈拍は末梢血管の拍動のことであり基本的には同一ですが、不整脈など血管系のトラブルを抱える場合同一とならない場合があります。

なので、純粋に心拍数を測定したいという場合は左胸に手を当てて拍動を測定したり、センサーを心臓付近に装着するタイプの装置でモニタリングをしたりします。

脈拍を自身で測定する場合は、利き手ではないほうの腕の橈骨動脈付近に指をあてて測定します。

リラックスした状態で1分測定、あるいは30秒または10秒測定してそこからかけ算で1分間の回数を算出することができます。

心拍数と運動強度

心拍数を知ることで取り組んでいる運動の強度がどれくらいなのかを知ることが出来ます。

運動強度を設定するにあたって目安となる最大心拍数を算出します。

最大心拍数とは運動強度が高くなることで増加する心拍数の最大値で「220 – 年齢」で推定します。(あくまで推定であり、±10~15回くらいの誤差は生じます。)

最大心拍数から目的に応じた心拍数を設定します。

脂肪の利用促進や健康増進を狙う場合は、最大心拍数の50~70%、有酸素性運動機能の向上や乳酸性作業閾値の向上(血中の乳酸濃度が急上昇するポイントを強化する)を狙う場合は最大心拍数の70~90%、最大酸素摂取能力の向上を目指す場合は最大心拍数の90%以上といった感じです。

なので、ウォーキングなどで脂肪を燃やそうとするにしても、最大心拍数の50%以上は目指さなければなりませんし、HIITのような手法で脂肪燃焼を目指す場合も85%以上の心拍数が必要といわれているのでそこまでしっかり上げきる必要があります。

主観的にやっていると意外と足りていない、そもそもターゲットとする心拍数が誤っている、なんてこともよくある話です。厳密な数値設定とモニタリングが効果を上げるためには大切なポイントです。

運動強度設定の実際

最後に今回は「カルボーネン法」を用いた強度設定をご紹介します。

①最大心拍数の算出

「220 – 年齢」で推定します。

②安静時心拍数の測定

リラックスした状態の心拍数を測定しておきます。ちなみに朝一番、起床と同時に起き上がる前に測定することが最適ですので、毎日の管理として測定する場合はこのタイミングで測定しましょう。測定方法は上記のとおりです。

③目標心拍数の設定

目標に応じて、最大心拍数に対する割合を決めましょう。

(例えば、脂肪を燃やしたいけど運動が苦手という人は、手堅く50%くらいから)

上記三点を設定したら、下記の式に当てはめ計算します。

(最大心拍数-安静時心拍数)×目標係数(%)+安静時心拍数


年齢:40歳 最大心拍数 = 220 – 40 = 180拍 安静時心拍:60拍 目標運動強度:60%

(180拍 – 60拍) × 60% + 60拍

=132拍

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この記事を書いた人

古賀大介
健康な身体を目指したダイエット、姿勢や関節痛の改善およびゴルフやサッカーなどの運動パフォーマンスアップを目指すトレーニング指導を主に担当

【主な保有資格】
NSCA-CPT (全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
CSCS(全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)

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