知っておくと得をする呼吸の基礎知識

トレーナーの古賀です。

僕はトレーニング指導の前半で呼吸機能の活性エクササイズをよく入れています。というのも、呼吸機能が活性することにより得られる効果がトレーニングにとても有効に作用してくれるからです。

多分昨今は近年で最も「呼吸」というワードが世間に飛び交っている年ではないかと思います。そんな今熱い「呼吸ブーム(?)」に乗り遅れないよう、呼吸のメカニズムとそのメリットをご紹介します。

目次

呼吸のメカニズム

呼吸とは酸素と二酸化炭素の交換が主な目的で、肺が拡張、収縮しながらガス交換が行われます。しかし、肺自体には心臓のような自動拡縮機能はなく、肺周辺の筋肉の作用により拡大、収縮が行われます。この肺の拡縮に大きく関与するのが肋骨・胸骨・胸椎から構成される胸郭です。

吸気(息を吸う)時に胸郭が広がることで肺も広がり、呼気(息を吐く)時は胸郭がしぼむことで肺をしぼめます。

身体の緊張が強い人や胸郭周辺が固まっている人は呼吸の際に胸郭がうまく機能しなくなり、酸素供給能力が低下などの影響が現れます。人は一日二万回程度呼吸を行うといわれていますので、1回1回の質の低下はコンディションに大きく影響します。身体が疲れやすい、疲労が抜けないという人は、上手く呼吸が出来ていないことが要因の一つかもしれません。

呼吸のメリット

呼吸には安静時呼吸と努力呼吸があります。

安静時呼吸は無意識で行う呼吸であり、横隔膜と外肋間筋の作用によっておこります。

努力呼吸は安静時呼吸に呼吸補助筋を動員した強めの呼吸で、横隔膜と外肋間筋に加えて、息を吸うときは斜角筋、胸鎖乳突筋、大胸筋、広背筋など主に首・胸・背中付近の筋肉が動員され、吐くときは腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹直筋、内肋間筋、腰方形筋など腹部周辺の筋肉が動員されます。

呼吸を意識的に行うトレーニングは努力呼吸であり、上記のような筋肉の活性化を目的としているわけです。これらの筋肉が活性化することで体幹支持機能の安定化、酸素供給効率の改善による運動パフォーマンスの向上、過度な筋緊張の緩和などの効果が期待できます。

また、継続的なトレーニングを行うことで姿勢の改善や肩こり、腰痛などの関節痛の改善にも貢献してくれます。

胸式呼吸と腹式呼吸

両者の違いは主に横隔膜の利用比率になってきます。

胸式呼吸は横隔膜の動員が少なく、主に外肋間筋の作用により起こる呼吸で胸が動くような呼吸になります。浅く早い呼吸になり交感神経が優位となりますので、運動前や起床時にスイッチを入れるような形で使うと有効です。

腹式呼吸は横隔膜が大きく動き、深いゆっくりとした呼吸になります。こちらは副交感神経が優位に働く呼吸なのでリラックスしたいときや身体の緊張を取りたいときに実施すると有効です。

また腹式呼吸では腹横筋や骨盤底筋、多裂筋といった身体を支持する筋肉も動員されるため、身体の安定性を強化したいときにも有効な呼吸法です。

最後に

実際に指導で呼吸トレーニングは活用していますが、上手く呼吸が出来ていないという人も結構多かったりします。

呼吸は人を強くします(身体機能改善的な意味で)

目的や状況に応じて呼吸をうまく活用し、より充実したトレーニングライフにしてみましょう!

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この記事を書いた人

古賀大介
健康な身体を目指したダイエット、姿勢や関節痛の改善およびゴルフやサッカーなどの運動パフォーマンスアップを目指すトレーニング指導を主に担当

【主な保有資格】
NSCA-CPT (全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
CSCS(全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)

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