〜パフォーマンス向上とケガ予防のカギ〜
目次
■ なぜ、トレーニングベルトが必要なのか?
トレーニングベルト(リフティングベルト)は、ウエイトトレーニングや高重量を扱う場面で使用される補助具です。
一見「重いものを持つ時のサポート」程度に思われがちですが、実は以下のような非常に重要な役割を果たしています。
■ トレーニングベルトの主な効果
1. 腹圧(腹部の内圧)を高める
- ベルトを締めることで腹部の外から壁ができ、呼吸と連動して腹圧が高まり、体幹が安定します。
- 腹圧が高まると、腰椎(腰の骨)への負担が軽減され、正しいフォームが維持しやすくなります。
📌 腹圧とは:お腹の中から押し返すような圧力。コアの安定性に直結。
2. 腰・背中のケガ予防
- 重量が増えるとフォームが崩れやすくなり、腰椎への負担も増加。
- ベルトを使用することで脊柱をまっすぐ保ち、腰痛・ヘルニアなどのリスクを減らすことができます。
3. 高重量トレーニングでのパフォーマンス向上
- 腹圧を利用したフォーム安定により、スクワット・デッドリフトなどの記録更新にもつながる。
- 力を逃さず「押す・引く」に集中できるため、トレーニング効率がアップします。
■ こんなときはベルトを使おう!
トレーニング種目 | 使用推奨レベル |
---|---|
スクワット | 中重量以上〜推奨 |
デッドリフト | 中〜高重量で必須 |
オーバーヘッドプレス | 中重量以上で推奨 |
ベンチプレス | 基本的には不要だが、高重量で使用可 |
💡 基本的に**“腰に負担がかかる種目”かつ“重量が重くなる時”に使用**するのが目安です。
■ 注意点:「常時装着」はNG?
- ベルトに頼りきってしまうと、体幹やコアの筋肉が鍛えられにくくなるリスクも。
- 軽重量や補助トレーニングではベルトなしで体幹を意識して行うことが大切です。
▶ ベルトは“あくまで補助”であり、基本的な筋力とフォームが最優先。

■ 腹圧ってなに?
腹圧(ふくあつ)とは、お腹の中(腹腔)にかかる内圧のこと。
わかりやすく言えば、**お腹の中から外へ“押し返すような圧力”**です。
これを意識的に高めることで、以下のようなメリットがあります。
■ 腹圧を高めるメリット
✅ 背骨(特に腰椎)を安定させる
✅ ケガ予防(特に腰痛・ヘルニアなど)
✅ 高重量でもフォームを維持しやすい
✅ 出力(力の伝達効率)が向上する
つまり、腹圧は“体幹のブレーキ”でもあり“力を出す土台”でもあるのです。
■ 腹圧を高めるときに使う筋肉
- 横隔膜(お腹の上のフタ)
- 腹横筋(お腹の周りを囲むコルセット)
- 多裂筋(背骨のインナーマッスル)
- 骨盤底筋(お腹の底)
これらが協調して働くことで、腹腔という「内側の風船」がパンッと張ったような状態になります。
■ 腹圧の正しい作り方(ベルトなしでもOK)
ステップ①:姿勢を整える
- 肋骨を締めて、骨盤はニュートラルに
- 反り腰・猫背では腹圧が入りにくくなる
ステップ②:鼻から息を吸う(腹式呼吸)
- 息を吸いながら、お腹を前・横・背中に360度膨らませる意識
- 胸ではなくお腹全体を使う
ステップ③:お腹に圧をかける
- 吐ききらず、軽く息を止めた状態で腹筋を外に押し返すように力を入れる
- 「トイレを我慢するような感じ」と言われることも
📌 ポイント:「お腹を引っ込める」のではなく、「押し返す」
■ 正しいベルトの巻き方・選び方
- 位置: へその高さを目安に、骨盤と肋骨の間にフィットする位置で巻く
- 締め加減: 息を吸った時に腹部が押し返せるくらい(苦しすぎない)
- 素材選び: 革製はしっかり硬め、ナイロン製はフィット感あり。目的に応じて選択
■ まとめ:ベルトは「使いどころ」を間違えなければ最強の味方
- 腹圧強化 → パフォーマンス向上
- 脊柱保護 → ケガ予防
- 使用タイミングを選ぶ → 自分の体幹力も鍛えられる
筋トレ中級者〜上級者を目指す方にとって、トレーニングベルトは“筋肉だけでなく、トレーニング寿命”を守るアイテム。
パーソナルジムでは、正しい使い方もレクチャーできますので、気になる方はお気軽にお声かけください!
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