トレーナーの古賀です。
トレーニングプログラムを作成する際には、種目と目的に応じた変数を設定します。
変数とは重量、回数、セット数、休憩時間などの要素のことで、ここがうまく設定できていないと思うようなトレーニング効果が得られないということもあります。
今回は変数の一つである「休憩時間」についてフォーカスしていきたいと思います。
目的に応じた休憩時間を知り、より効果的なトレーニングが行えるようにしましょう。
休憩時間の目安
全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)は目的別の休憩時間の目安を以下のように設定しています。
目的 | 休憩時間 |
筋力強化 | 2~5分 |
筋肥大 | 30秒~90秒 |
筋持久力向上 | 30秒以内 |
それぞれの項目について解説していきます
筋力強化
筋力強化とはとにかく重いものを持ち上げられるようになる能力の強化が目的になります。
筋力強化には最大筋力の90%以上の重さの重量を扱うようなトレーニングを行う必要があり、これは多くても3回くらいしか挙上できないような重さになります。
主なエネルギー供給機構はATP-PCr系で、これは素早くエネルギーを発揮できる分、枯渇が早く、完全回復に時間がかかるという特徴があります。
筋力強化のためにはとにかく重いものをしっかり上げなければならないので、2〜5分程度の長い時間休息をしっかりとって次のセットに備えるという形になります。しっかりと回復したうえで、正しい挙動でセットを遂行できるようにしましょう。
筋肥大
筋肥大は筋肉への物理的な刺激や、トレーニングによるストレスにより分泌されるホルモンの作用を利用して起こる現象です。挙上重量は6〜15回程度で限界を迎えるような重さに設定することになります。
筋肥大においてはどれだけボリュームのあるトレーニング(重さ×反復回数×セット数)が行えるかということが重要なポイントになるので、純粋に筋肉をつけたいのであれば長めに休憩時間を設定するとよいと思います。(セット数が多くなるとすごく時間がかかりますが…)ただし、軽めの重さで高回数、高セット数のプログラムを行う場合は、回復に充てる時間を短くしても継続可能になるので、臨機応変に休憩時間を設定するようにしましょう。
筋持久力アップ
筋持久力は特定の筋肉を長時間動かし続ける能力になります。例えばマラソンの際に下肢の筋持久力が高ければより長い時間足を動かし続けることができますが、低ければすぐに動かなくなってしまいます。筋持久力はあくまで特定の筋肉の運動持続能力であり、心肺機能のような体力要素と混同しないようにしましょう。
筋持久力の強化には12回以上挙上できる重さでなるべく多く、長く動作することがポイントです。また疲労耐性の獲得のため休息時間はなるべく短くします。
例えば「腕立て伏せを一分間で5回(5回終わったら休憩)を20セット(合計100回)」のようなトレーニングだと胸部や腕の筋持久力強化が図れます。前半は何ともないかもしれませんが後半にかけて疲労が増してフォームの維持が難しくなります。種目や回数を変えたりしながら是非おうちでもチャレンジしてみてください。
脂肪燃焼に効果的な休憩時間は?
脂肪燃焼を狙うにあたって注目したいのは成長ホルモンです。
成長ホルモンには強力な脂肪燃焼作用があるので分泌を促すことで脂肪燃焼効率を促進することが期待できます。
研究では成長ホルモンは休憩時間が短いトレーニングで分泌されやすいとあるので、おおよそ1分以内の休憩時間でプログラムを行うことを基本として捉えておくとよいでしょう。
トレーニング効果として期待しているものに応じた休憩時間を設定し、より効果的なトレーニングを行えるようにしましょう!
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