「何をするにも気力が湧かない」「頭が重い」「ぼーっとして集中できない」——そんな状態を“自分の性格のせい”にしていませんか?
実はそれ、脳が疲れているサイン=脳疲労 かもしれません。

■ 脳疲労とは?
脳疲労とは、脳が情報処理やストレス対応でオーバーヒートし、正常な働きが落ちてしまう状態を指します。
脳は全体重の約2%の大きさなのに、エネルギー消費量は全体の20%以上。つまり、体の中でもっともエネルギーを使う臓器なのです。
情報過多・長時間労働・マルチタスク・睡眠不足などによって脳は休む暇を失い、やる気や集中力を司る「前頭前野」が疲弊してしまいます。

■ 脳疲労がもたらす症状
科学的に分かっている脳疲労のサインは以下の通りです。
- 物忘れが増える
- 判断力や決断力の低下
- やる気の喪失(ドーパミン分泌低下)
- 感情のコントロールが効かなくなる(イライラ・不安)
- 睡眠障害(脳の休息が不十分)
こうした症状が続くと、心身の不調だけでなく、うつ病や生活習慣病リスクにも直結します。

■ 脳疲労を引き起こす原因
研究では次の要因が脳疲労を強めることが明らかになっています。
- 情報過多:スマホやSNSで常に刺激を受けている
- 長時間のストレス:交感神経優位が続き自律神経が乱れる
- 睡眠不足:脳の老廃物(アミロイドβ)が排出されない
- 血流不足:運動不足により脳への酸素供給が低下

■ 脳疲労を回復させる方法
ポイントは「脳に休息と栄養を与えること」。
- 運動:有酸素運動は脳血流を促し、BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やす
- 睡眠:7時間前後の深い眠りが老廃物排出に必須
- デジタルデトックス:1日30分でもスマホを見ない時間をつくる
- 呼吸法・瞑想:副交感神経を優位にし脳の緊張を解く
- 栄養:DHA・EPA(青魚)、ビタミンB群、マグネシウムが神経伝達に効果的
■ 「やる気が出ない」は甘えじゃない
やる気や集中力の低下を“性格”や“気合不足”と考えてしまうのは危険です。
脳が疲れているサインを見逃さず、正しいケアをすることで再びパフォーマンスを取り戻せます。
“脳を休める”ことも、立派な自己投資です。
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