筋肉痛の発生メカニズムとトレーニング効果

トレーナーの古賀です。
今回は筋肉痛に関するお話です。

目次

筋肉痛の原因

筋肉痛が発生する原因については実は明確な答えはまだ分かっていません。

今のところトレーニングによって損傷した筋線維を修復するために炎症が発生し、炎症箇所にブラジキニンやヒスタミンといった発痛物質が発生することによって痛みが起こると考えられています。

ちなみに、トレーニングで傷ついた筋線維は修復される際に損傷前と比較して大きくなるメカニズムがあります。こうやって筋線維の破壊と修復を繰り返すことで筋肥大を狙っていくわけですね。

筋肉痛がないとトレーニング効果がない?

一度損傷した筋肉はしばらくの間、損傷や筋肉痛に対する耐性が高まるといいます。

したがってトレーニングを繰り返していくことで筋肉痛が緩和されていくのですが、これがトレーニング効果がないと同義であるかといえば必ずしもそうではありません。

筋肥大に関していえば、筋損傷が起こるような物理的ストレス以外にも内分泌系の変化による化学的ストレスによって筋肥大が促進されることが分かっています。つまり筋線維を損傷させるような負荷をかける以外にも筋肉を増やすトレーニング方法があるということです。例えば加圧トレーニングは血流を制限し、軽い負荷でトレーニングをするのが特徴です。

これはどちらかというと内分泌系の作用による筋肥大を狙うトレーニングで、荷重負荷が少ない分、筋損傷は少ないので通常のウエイトトレーニングよりは筋肉痛の発生が抑えられます。

また、トレーニングで得られる効果は筋肥大だけではありません。

例えば体脂肪の減少です。特にダイエットジムに通われる方の多くはこれがメインの目標になっているはずです。筋肉痛と脂肪燃焼に相関関係はほぼないといっていいでしょう。(低強度の有酸素運動でも脂肪は燃えますし)

とはいえ、「質の悪いトレーニングを行ったことで筋肉痛が来なかった」は話が違います。質が悪ければトレーニングの効果も何もありません。

「質の高いトレーニングを行ったうえで筋肉痛が来なかった」場合はそれでもトレーニング効果が期待できる、ということを念頭に置いておきましょう。

筋肉痛の早く治すには

予防

筋肉痛は十分なウォーミングアップを行うことでリスクを軽減することが出来ます。
トレーニングではメインセットに入る前にウォームアップセットとして軽い重量で数回動作を行うのですが、このウォームアップセットの時から使う筋肉の動きを意識して行うようにすることが大切です。(時々適当にやる人がいるんですけど、それじゃやる意味ないです)

冷却・安静

トレーニング後にアイシング(冷却)をすることも効果的とされています。
冷やすことで炎症を軽減することが出来ます。

その後は患部の安静に努めましょう。
筋肉痛が発生している時は筋力や柔軟性など本来の力を発揮できない状態にあります。
そんな中で無理な動作を行うと更なる損傷を招く恐れがあります。
しっかり休むこともトレーニング効果を最大化する重要な要素です。睡眠も筋肉の回復にはとても重要です。

血行促進

ある程度炎症が落ち着いてきたら血流を良くすることを心がけましょう。
例えばぬるめのお湯にゆっくりつかる、ストレッチをする、ウォーキングなど軽い有酸素運動を行う、などです。血流が良くなることで筋肉の回復が促進したり、発痛物質が流されて痛みの軽減が期待できます。

まとめ

今回のまとめです

・筋肉痛の発生メカニズムはまだはっきりしていないが、筋肉が損傷すると発生しやすい
・筋肉は損傷から回復するとしばらく筋肉痛になりにくくなる
・筋肉痛が発生しなくても適切なトレーニングならば効果は十分得られる
・筋肉痛のケアは十分なウォームアップ→安静→血行促進が有効

「No pain , No gain」という言葉がありますが、よほど高いレベルを目指すわけではないのであればほどほどで大丈夫です。焦らず無理せず頑張りましょう。

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この記事を書いた人

古賀大介
健康な身体を目指したダイエット、姿勢や関節痛の改善およびゴルフやサッカーなどの運動パフォーマンスアップを目指すトレーニング指導を主に担当

【主な保有資格】
NSCA-CPT (全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
CSCS(全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)

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