EPOCによるアフターバーン

トレーナーの古賀です。

以前のブログでは、ダイエットで筋トレをする理由についてまとめました。

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そこでご紹介したトレーニング後のアフターバーンについて今回はまとめていきます。

すこし専門的な用語が出てきますが、お付き合いください。

目次

アフターバーンの起きる理由

先日のブログでは、疲労困憊まで追い込むことで身体の回復のためにエネルギーが必要となり、エネルギーの合成のために主に体脂肪を消費する状態が続くことをアフターバーンだと紹介しましたが、この現象についてもう少し詳細にお話しします。

運動の筋収縮を担うエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)という物質がADP(アデノシン二リン酸)に分解される際に発生し、ATPの合成は無酸素性機構と有酸素性機構の二つの機関によりおこなわれます。

無酸素性機構はATPの合成の際に酸素を必要とせず、高速でエネルギーを供給できますが貯蔵量が少ないという特徴があります。

一方、有酸素性機構は酸素を使ってATPを合成します。供給のスピードは遅いですが体内に貯蔵されている糖質や脂質を主なエネルギー源として持久的にATPを供給することが可能です。

激しいトレーニングの場合、無酸素性機構がエネルギー供給を担うのですがその運動が長時間継続するとエネルギー源が枯渇し運動の継続が不可能となります。(いわゆるオールアウト)

枯渇した無酸素性機構のエネルギー源を回復するために、有酸素性機構が酸素を大量に取り込んでATPを作り、そのATPが無酸素性機構のエネルギー源に変換されるという状態が続きます。

この状態を運動後過剰酸素消費(Excess Post-exercise Oxygen Consumption)、通称「EPOC」といいます。

EPOCの脂肪燃焼効果

EPOCの状態は、酸素を使って体内でエネルギーを生み出している状態です。

これはつまり有酸素運動を行っている状態と同じようなかんじです。

EPOCの継続時間は15分から48時間と言われ、具体的にどれくらいとは言いづらいですが、運動強度と継続時間に比例して長くなることは間違いないようです。

したがってEPOCの効果を最大化するためには全力の運動をなるべく長く続けることがポイントになるのですが、そもそも全力の運動は長時間行えるものではありません。強度と時間のバランスを考慮するとインターバルを挟みつつ最大心拍数の80%以上になる負荷の運動を行っていくことがいいかもしれません。

有酸素運動と比較すると時間効率が良く、成長ホルモンなどの内分泌系の利点が高いのもポイントです。トレーニングはかなり過酷なものとなりますが、最大48時間も有酸素運動をしている状態が続くかもしれないと考えるとその恩恵はかなり高いものになります。

まとめ

高強度のトレーニングを行うことでEPOCが発生し、それによる脂肪の燃焼が長時間にわたり期待できるということをご紹介しました。

トレーニングを行うにあたっては、限界まで追い込まなければならないという点を軽視しないようにしましょう。運動強度があがれば当然身体的なリスクは上昇します。

一人でやる前に専門家に相談してみましょう。

また、負荷設定には心拍数を用いることが一般的です。

心拍数をモニタリングして、体力レベルに応じた負荷を設定するようにしましょう。

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この記事を書いた人

古賀大介
健康な身体を目指したダイエット、姿勢や関節痛の改善およびゴルフやサッカーなどの運動パフォーマンスアップを目指すトレーニング指導を主に担当

【主な保有資格】
NSCA-CPT (全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
CSCS(全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)

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